「小さな画面に大きな世界 仁宇暁子カルトン画展」が徳島市通町1丁目の ”喫茶もみの木” で開催いたしました。
形象派美術協会の仁宇暁子さんのカルトン画展。
カルトンとはフランス語で厚紙を意味します。
「小さな画面に大きな世界」という名の通りの作品たちです。
喫茶もみの木の店内に入れば、そこは大きな世界が広がっていました。
色と形が織りなす仁宇暁子さんの空間。朗らかで、高潔で、美しく、室内の雰囲気を形づくります。
椅子に腰を掛けしばらく絵を鑑賞していると、小さな声に気づきました。
カルトン画たちが息をしたり、微笑んだり、衣擦れや足音まで聞こえてきました。
カルトンたちが生きている様。仁宇暁子さんから生まれた芸術が羽ばたいている気がします。
ちょうどツバメの巣の中にいるみたい。全方位14枚のカルトンたちが感情を奏でています。
▲ アトリエ
ビーナス像、油絵具のにおい。喜びと苦しみ。
人生すべてをかけた芸術家のアトリエが、青と白と黄で表され、これからも長い時間すごす場。
▲ 星をひろう
ふわりふわり現実の風景か夢の中か。
星をひろってはポケットに入れたり、家に飾ったり。
至福の時をすごすやわらかな作品。
▲ 抱擁
手で触りたくなる画肌。
ぬくもりのある薄ピンクがドキドキするくらいにうごめいている。
▲ 街
ファンダボディの気持ちよさ、若さ、清々しさ。
「フレッシュ」というのは絵にとって一番の要素であるなあ、と感じる。
▲ 水あそび
はじけそうな子ども心。一緒に水あそびしましょ。
▲ 音楽
包まれる空気。流れる音楽。
気持ちと空間の混じり合いは、なんと雄大なものなんでしょう。
▲ 宝ばこ
心の中の宝ばこに大切なものをしまっては、とりだすの繰り返し。
生活の中で色んな宝物を見つけるからさあ、毎日が嬉しいんだよ。
左下のおどけたような形に引き寄せられる。真ん中下のふわふわの毛糸に包まれた“何だろう”。
まわりのそれぞれが存在感を発している。
紫がかった赤に背景の中の無造作におかれているようで絶妙な配置、平面的なようで何故か見飽きない。
▲ シューベルト楽興の詩
紫の濃淡が美しい背景を作り上げ自然の重なっていく白のようなグレーのようなブルーの流れ。
音の流れに乗りながら織り上げていく世界、感情の揺れが深く染みこんでいく。
▲ ラフマニノフ ピアノ協奏曲
面白い!音楽の瞬間、瞬間に現れるイメージが膨らんできたり、消えそうで消えないものを大胆なタッチの白で覆い被して、踊るようなスクラッチの楽しさ!小さな空間に自由に奏でる音楽の嬉しい時!
感情や生命が芸術に繋がっている。
そのように感じた仁宇暁子さんのカルトン画展です。
そして徳島市銀座のアートギャラリー グレイスにて8月4日から8月18日の期間に「仁宇暁子展 夏の音」も開催予定です。
暑さにも注意しながら、是非とも多くの方に展覧会場まで足を運んでいただきたいと思います。
小さな画面に大きな世界 仁宇暁子カルトン画展
会期 2024年8月1日(木) 〜 8月30日(金)
時間 8:00 am 〜 5:00 pmまで
入場料 無料
場所 「喫茶もみの木」徳島市通町1-7(中央郵便局の裏)
TEL 088-652-0677 駐車場は店舗前に2台有。
休み 土曜日、日曜日、祝日、お盆